お陰様でこの日を迎えることができました。
公演を見に来てくださった方も、陰ながら応援してくださった方も、本当にありがとうございました。

Story


()の中のs1〜s25は楽曲へのリンクです。クリックすると楽曲の表題を確認できます。(リンク先から曲紹介のDTM音源をたどることができます)


1827年フランス・パリの宿屋で下働きするコゼット(s1)のもとを訪ねるジャン・ヴァルジャン。客で賑わう宿の名前は『ワーテルロー軍曹』(s2)。彼はマドレーヌの偽名で財をなした港町、モントルイユで命を落としたファンティーヌ(s3)との約束で、養育を託したテナルディエ夫妻への仕送りを数年に渡り続けていた。だが、いつまでたってもコゼットに会わせてくれないことに業を煮やして引き取る(s4)ことを決意したのだ。

 

コゼットを連れて逃亡先の屋敷にバルジャンが立ち去った直後、ジャベール警視が現れる。バルジャンはトゥーロン刑務所で囚人番号24601として19年間の刑期後、仮釈放(s5)から逃亡生活をしていたのであった。法と規律に生きるジャベールヴァルジャン追跡は続く。

5年後の1932年、2年前の七月革命(ブルボン朝王政復古から立憲君主制)で農民は小作から解放されたものの、政策はブルジョワ向けでパリ市民の生活は困窮していた。かつての共和制の自由主義・人権主義を期待される政治家ラマルク将軍はコレラに伏し、市民が立ち上がろうとする。
王政復古派の父から離れパリでひとり暮らす学生マリウスは、学生が中心の秘密組織「ア・ベ・セー(ABC)の友」に加わり、リーダーのアンジョルラスとともに自由主義を求め街頭演説する(s6)。5年間で美しく成長したコゼットは、街先でマリウスとお互いに心を惹かれるが、ジャベールの追跡を恐れるヴァルジャンに連れられパリの逃亡先プリュメ通りへと向かう。

学生たちは国家憲兵隊により取り締まられ街路に逃げ込むが、マリウスはパリ市街の裏社会に通じるエポーニーヌを頼ってコゼットが住むプリュメ通りの邸宅を探す。マリウスに心惹かれたコゼットは、育ての父ヴァルジャンに感謝するものの、マリウスとの再会を予感する(s7)。
プリュメ通りの邸宅で心惹かれ合うマリウスコゼットを遠く見るエポニーヌ(s8)。身分の違うマリウスに密かに心惹かれて(s9)何かと世話をしていたのであった。

 

アジトへ集結したABCの友の学生たちがパリの至るところで立ち上がる市民活動に触発されるなかラマルク将軍の訃報が届き、実力行使を決意する(s10)。

隠れ家が見つかったことを恐れ遠くイギリスへの逃亡を決意するヴァルジャン。心惹かれながらも、遠く離れることに抗えないコゼットマリウスコゼットに心奪われたマリウスへの恋心を内に秘めるエポニーヌ。革命へと向いゆくアンジョルラスと学生たち。法と秩序のもと革命を阻止しようとするジャベールと国家憲兵隊。戦乱に乗じて遺品の金品を盗もうとするテナルディエ夫妻。それぞれの思いが交錯するなか、1832年6月5日のその日を迎える(s11)。

ラマルク将軍の葬儀を機に、市民の合流を集ってバリケードに立てこもる「六月暴動」が蜂起される(s12)。

ジャベールは志願兵に扮してバリケードに向かい、国家憲兵隊は兵糧攻めをするため進撃しないと偽情報を伝える(s13)が、暴動に加わった浮浪児のガブローシュに見破られて、縛り付けられる(s14)。
バリケードが準備不十分なところに国家憲兵隊が進撃する。火薬樽で脅そうと背を向けるマリウスをかばって、エポニーヌが撃たれてしまう。マリウスは兵を退却させることに成功するが、エポニーヌマリウスの腕のなかで息をひきとる(s15)。エポニーヌの死で戦闘の現実をつきつけられる学生たち(s16)。

エポニーヌからの手紙でマリウスコゼットが心惹かれ合うことを知ったヴァルジャンは、マリウスの命を守るべく志願兵としてバリケードに向かう(s17)。直後の国家憲兵隊奇襲に対して狙撃手から学生を救い、戦闘により兵を退却させることに成功する。ヴァルジャンジャベールが捕虜にされたことを知り、勝利の対価として捕虜の処遇を任される。
復讐を覚悟するジャベールを、ヴァルジャンは何の条件もなく解放する(s18)。夜が更けて束の間の休息をとる学生たちを最後の戦闘が待っている(s19)。

夜が明けて武器を補充して進撃する
国家憲兵隊、疲弊して物資も尽きつつある学生は決死の戦闘に臨む。テナルディエ夫妻は戦況悪化を見て早々に退散し、ヴァルジャンは撃たれて倒れたマリウスを連れて下水道へと逃れる。残る学生たちは一人またひとりと戦死する(s20)。

戦死者にヴァルジャンの姿はなく、下水道への出口で待つジャベールは、マリウスを抱えたヴァルジャンと再会する。死に瀕する若者を救うため見逃すことを懇願するヴァルジャンに銃を向けるジャベール(s21)。だがヴァルジャンはもはや単なる囚人でなく、生殺与奪権を持った存在である。ヴァルジャンが立ち去った後、ジャベールは自らに銃を向ける(s22)。

傷が癒えたマリウスは、コゼットと結婚式を迎える(s23)。ヴァルジャンは幸せなコゼットを見守り、もはや自分の人生の役目を果たしたことを実感する。コゼットへ過去の告白を記した手紙を渡して天に召される(s24)。

ヴァルジャンファンティーヌに導かれる先には……(s25)。